大河関連書籍読書メモ その2
皆さんこんばんは。いや〜、畠山回ヤバかったですね。
やっぱり脚本と演出と演技の噛み合いが異常なんだよな…
時政パパの追放は返す刀で速攻のイメージでしたが、この感じだとじっくりやるっぽいですね。楽しみだな〜
さて読書メモの続きです。新書以外の本から。
古い本ではありますが、当時の北条義時がどのように理解されていたのか知りたくて読みました。私は当時の歴史そのものよりも、後世でどのように理解(評価)されてきたのかに興味があるんだよな〜
その1で挙げた新書にもたくさん引用されているので、興味があれば一読しておくと楽しいかもしれない。
・山本みなみ『史伝 北条義時 武家政権を確立した権力者の実情』小学館、2021年
山本先生の史伝シリーズ(?) 政子は新書でしたが義時は一般書。
こちらも丁寧に諸説が検討されているので、じっくり読むとよいと思います。
・板野博行『眠れないほどおもしろい吾妻鏡』三笠書房、2021年
文庫のファスト吾妻鏡。著者は予備校講師なので、まあ、そんな感じです。(雑)
てか別に眠れないほど面白くはないけどね…
完全にファストではありますがトンデモ間違い本では無いはず…なので、吾妻鏡読みたいけど時間無いよ〜って人は読んでもいいんじゃ無いかな。
ちなみにドラマの部分だけ吾妻鏡を読みたい方は吉川弘文館の全訳、ダイジェストでざっくり知りたい方は角川ソフィア文庫が真面目な本でオススメです。
【小説編】
新装版なので2021年発売になってますが、大河ドラマ「草燃える」の原作作品の一つ。
タイトル通り政子を主人公に、一人の女性の生涯を描いています。この作品の政子は決して傑物では無いので、悩み傷つきながらも生きていく政子像の源流なのかな…
・永井路子『炎環』文春文庫、2012年
こちらも新装版で読みました。鎌倉初期を舞台にした連作短編で、全成、阿波局、北条義時などがそれぞれ主人公になっています。従来あまり”主人公”にならなかった人物に焦点を当てているのが特色…らしい。こちらの義時さんは野心薄めの「よくわからない」人ですね。なお、実朝暗殺三浦黒幕説はこちらが出典。お話としては面白いんですけどねー…
・安部龍太郎ほか『傑作!名手たちが描いた小説・鎌倉殿の世界』宝島社文庫、2021年
おそらく大河に乗じて作った鎌倉時代小説アンソロジー。山本周五郎やら坂口安吾やら、『炎環』の義時主人公編(「覇樹」)やらが収録されています。みんな有名作家なので普通に面白い。
・太宰治『右大臣実朝』
おおむね明るい方の太宰です。が、終わり方に不穏が漂う。好きですよ、こういうの。
こちらの義時さんは野心は薄めですが、みんなから「悪い人じゃないんだけどね…」と言われるタイプの人。
・奥山景布子『義時 運命の輪』集英社文庫、2021年
タイトル通り義時が主人公。こちらは野心強めの義時さんです。
決して硬派な作品では無いですが、力強くドラマチックな物語。という感想。
・伊藤潤『夜叉の都』文藝春秋、2021年
主人公は政子。修羅の道を行く北条政子の物語です。
なおこの作品、北条姉弟推しにはかなりキツイ展開がありますのでご注意ください!!
知らずに踏んでトラウマになった私の二の舞にはならないでくれ…北条姉弟推しは正直読まない方がいい。なお、こちらの義時さんも野心ありめ。だったはず。
大体”ネオ・『北条政子』”といった味わいです。てか豪遊の描写がちょっと昭和なんだよな…
・佐藤雫『言の葉は、残りて』集英社、2020年
主人公は実朝の妻(大河ドラマでは千世)
鎌倉にやってきた彼女と実朝がゆっくり愛情を育んでいく、優しい物語です。
嫌な役の登場人物でも”良い”シーンがあるので心穏やかに読めます。本当に優しい。
こちらの義時さんは、野心は薄めだけどちょっとヘイトを集めるタイプ。
現時点で読了している作品は以上です。
こうして見ると、大河に乗じて出版されてる小説が結構ありますね…大河効果ってすごいな。
今読んでる途中の本も後々まとめたい…という気持ちはあります。
あと、オススメの関連書籍も随時募集しているので、話しかけるのがアレだったら質問箱とかに投げてくださいね。よろしくお願いします。