2023年おもしろかったもの7選

お疲れ様です。無事仕事が納まりましたので、今年おもしろかったもの7選を作りました。

ジャンルごちゃまぜの、ランキングではなく思いついた順です。

よろしくお願いします。

 

・映画「窓ぎわのトットちゃん」

最近公開されたばかりですが、これは入れなきゃと思わせるくらいの労作かつ秀作。原作をどう取捨選択して映像化するか、考え抜かれて作られたんだろうな…と一度見ただけでわかるのが凄い。

絵柄は児童向けだけど、大人じゃないとわかんねーだろ!って演出が多くて、それは意図的にやってるっぽいですね。音楽もめちゃくちゃ良いです。全員見たほうがいい。

 

米澤穂信『可燃物』

好きな作家がベストに入ってくるのは当然過ぎるけど〜!これも入れなきゃいけない労作で名作だから〜!

とにかく無駄を削ぎ落としてできたミステリのうまみだけのすまし汁みたいな作品で、読み終わった後にしみじみとうまかったな…と思いました。ランキングを総ナメするのも納得。

 

・heisoku『春あかね高校定時制夜間部』

漫画です。登場人物が良く、ストーリーが良く、ギャグの温度感が良い。主人公が女性装をする男性なんですが、それが物語上の大きなトピックになってないのが素敵。続きが描かれて欲しいので、皆さん買って読んでください。

 

・藤田真央ピアノリサイタル@サントリーホール

最高〜!まず曲目が最高。ショパンポロネーズ1〜7番とリストのソナタって誰が考えたんだよ、と思ってたら自分で考えたらしい。(出典:エッセイ)聴く方は嬉しいけど弾く方はどう考えても地獄。しかしそれを感じさせない充実した演奏でございました。

藤田さんの演奏って謎の中毒性があって、次のコンサートが本当に待ち遠しい。来年も聴きたいな。

 

中尊寺

9月末の岩手旅行。宮沢賢治関連施設も面白かったけど、一番印象的だったのはやっぱり中尊寺金色堂も宝物館もすばらしかったし、そもそもあの空間が特別だよな〜と思いました。そう思わせる寺は良い寺だよ…

来年のトーハクの展示で追い中尊寺をするつもり。追い中尊寺って何?

 

Fate/Samurai Remnant

江戸が舞台でコーエーテクモで、イロモノかと思いきや正統な「Fateシリーズの新作」だった。トゥルーエンド後に宮本伊織を思って泣いたよわたしは…

アクションゲームが下手くそな私ですが、一番簡単なモードで余裕でした。さらに簡単モードが実装されたので、困る人はほぼいないんじゃないかな。個人的には今までのFateシリーズプレイした人にこそやってほしい!さりげなく出てくるステイナイトのオマージュでにやにやしましょう。

 

・キタニタツヤ「LOVE:AMPLIFIED」

タニタツヤといえば青のすみかで紅白まで駆け上がっておりますが、今年面白かった盤としてはこちらを挙げたい。4曲入りのEPで、2曲は歌手としてのキタニ氏、もう2曲は作詞作曲プロデューサーとしてのキタニ氏が楽しめる、ひと粒で2度おいしい盤です。面白い試みだよね〜 本人も気に入ってるっぽいのでテーマ替えて何回もやってほしい。

 

他にもバンプオブチキンのツアーとか新曲とか違国日記完結とか色々あったけど、そういうのは除きました。特に明確な基準は無いけど。自分の裁量で。

来年も面白いものをたくさん面白がれますように!よいお年を!

29歳、秋

希望していた業界ではない独法からうっかり内定を貰ってしまったのが2016年の夏。就活にすっかり疲れた私はそこで妥協してしまった。その結果は、ツイッターのフォロワーの方々はご存知の通りである。

新卒で入職してから、私の将来の夢は常に「転職」であった。紆余曲折すったもんだの末に現在の職場に辿り着いたのが2021年春。今は入社3年目。もう将来の夢は「転職」ではない。一応。

今の会社は居心地が良い。将来性は微妙だが明日突然会社が無くなることはないだろうし、無茶を言う管理職は居ないし、自分のペースで仕事を進められる。給料は安いけど、今の部署はテレワーク不可だけど、まあそれはそれ。今のところ転職は考えてないし、働ける限り働きたい。私は念願の安定を手に入れたのだ!

となれば次に目標とすべきは、普通は「結婚」だろう。それはわかる。“普通に”考えることは私にも出来る。でも結婚したいのかといわれると、正直わからない。

わからない。これがかなり困る。

結婚を拒絶する強い理由があるわけではない。結婚したくない理由ならちょっとはある。結婚したい理由は無い。結婚すべき理由はあるかもしれない。

本気で結婚を考えるなら、相談所にでも登録すればいいのだろう。実際それで結婚まで漕ぎ着けた知人も複数いる。お金はかかるが手間を省いて可能性を上げてくれるらしい。でも、そこまでする程結婚したいわけではない。でも、そこまでしないと、うっかり結婚できたりはしないだろう……

なんとなく心を決めかねて、29歳になってしまった。女性は若い方が価値があるとは思わないけど、ぼんやりしたまま時間を無駄にしているような気もする。安定の裏側には停滞があった。

例えば「結婚」を次の目標にして、やり遂げたとして、じゃあ、その次は? もっと長いスパンの「目標」を立てなければ、結局同じことの繰り返しなのかもしれない。人生って難しい。最近は、動物とか飼ってみたら人生観が変わるのかなとか思ったりする。でも旅行したいから無理かなあ。

 

 

ABCの回し者

ご存知の通りABCクッキングのケーキコースに入会して一ヶ月ちょっと。今月は紹介で入会金がタダになるキャンペーンをやっているので、宣伝も兼ねて体験って何するの?怖くない?を書いておこうかなと思います。

 

一月末、私と会員の友人と共通の友人(ついてきただけで入る気はあまりない)の三人で体験に行きました。メニューはガトーショコラ。

予約は会員の友人に取ってもらって、当日待ち合わせて教室へ。まず、興味があるコースやら通いやすい教室やらのアンケートを記入、その後ABCの説明を受けます。先生がフレンドリーに話してくれるけど、こちらはなんだか緊張…

ひと通り説明後、体験に入ります。通常のケーキコースは全部一人で作りますが、体験は二人一組で二台分の生地を作る感じでした。我々は三人で行ったので、私はひとり(先生に手伝って貰いつつ)の作業になりましたが。

ガトーショコラは私のバレンタインの定番メニューで、何回も作ってるので正直習うことないな〜とか思ってましたが、メレンゲの立て方とか実際に教わるとなるほどな〜と思うことも多かったです。あと、デコレーションをコーティングチョコレートで作ったのも楽しかったですね。自分ではやらないことを出来るのは良い。

生地をオーブンでブンしている間、他のテーブルで料理やらパンやら作っているところをフワッと見学、ケーキを仕上げて洗い物を済ませたら勧誘タイムです。(この辺は体験するメニューによって前後するかもですが)

まず先生が受講モデルを作って提案してきます。私は料理バリエーション+パン基礎+ケーキ基礎でなかなか迫力あるお値段になってました。まずはケーキだけで…と思っていたので、その旨伝えてケーキ基礎のみで契約。ワーイ。ついてきた友人は、他の習い事も検討してるので…とあくまで今日は入会しませんアピールで逃げ切っていました。強い意志があれば逃げ切ることは可能。

私の場合は日曜で混んでいたこともあり?契約完了まで結構時間がかかりました。何に時間がかかってるのかよくわからなかったんだけど…友人を待たせて申し訳無い気持ち。紹介してくれた友人と紹介された私、両方にグッズが貰えます。ハンドミキサーを貰えてほくほく。あと、パン基礎クラスが一回受講できるチケットも貰えます。これはまだ使ってない。

ケーキを忘れずお持ち帰りして終了。入れる箱も貰えるので安心です。

 

私はよほど印象が悪くない限りは入会しようと思ってたので勧誘は気になりませんでしたが、恐らく迷ってる時が一番乗せられやすいと思います。入らないという強い意志があれば逆に逃げられる。なので、迷ってる方はホームページなど見てこのコースかな〜くらいは検討されることをオススメします。

もし入会するなら紹介があった方が完全に得なので、お声がけ下さい。私の会員番号があれば一緒に体験に行かなくても大丈夫です。ケーキコース以外でも有効です。君もABC会員にならないか?

大河関連書籍読書メモ その3

皆さんこんばんは。いよいよ来週最終回ですね…

見たいと見たくない、こころがふたつある〜

読書メモも最終回です。6冊追加で書いておきます。本当はもっと読みたかったのですが…

 

浅倉卓弥『黄蝶舞う』PHP研究所、2010年

源氏三代将軍を中心にした連作短編小説…でいいのかな。小説です。

こちらは私イチオシ!なぜなら義時さんがカッコイイから。ていうか、作者の人が北条義時結構好きなんだろうなと思う。

オカルト・ホラーの世界と、中世の「現実」が融合している感じが上手くて面白いです。

 

・細川重男『鎌倉幕府抗争史』光文社、2022年

おなじみ細川先生の新作。頼朝死後からの御家人間の抗争を事件ごと(?)に解説している新書です。ちょうどドラマの時代と一致しているので副読本としても読みやすいと思います。

 

葉室麟『実朝の首』角川文庫、2010年

暗殺後、実朝の首がなかなか見つからずに仕方なく首無しで葬儀をやった、という伝承?を元にした小説です。和田合戦の残党や朝廷まで巻き込んだ駆け引きが大胆な発想で面白い。こちらの義時さんは小物感があり、代わりに政子姉さんが冷徹な政治家です。というか、こちらの作品は女性たちが強い。

 

朝井まかて他『鎌倉残影 歴史小説アンソロジーKADOKAWA、2022年

今年の11月に出版されたてほやほやの鎌倉アンソロ。どれも面白いですが、和田合戦が舞台の「誰が悪」が好きですね。後鳥羽上皇パートの「人も愛し」もいいな〜。こちらの義時さんは、一本目の作品で主人公にはなっているものの全体的に影が薄い。北条義時の影の薄さってこういう感じだよね…という感想。

 

大佛次郎源実朝

こちら、まだ青空文庫に入っておらず『源実朝』の文庫版も絶版?のため、読む難易度が高い作品です。大佛次郎時代小説自選集の10巻に入っていますので、どうぞ図書館などで読んでください。(私も図書館で読みました)

タイトル通り、実朝を主人公にした小説です。文豪は実朝が大好きだね。人物描写のバランスが良い作品な気がします。

 

武者小路実篤「実朝の死」「義時と泰時」

こちらもちょっと入手難易度が高い作品。武者小路実篤全集14巻に収録されています。実朝の右大臣拝賀の日の前後を舞台にした戯曲です。戯曲って戯曲だけ(上演されたものではない)と感想が書きづらいな…一応こちらの義時さんは芯の通った?悪役です。

 

というわけで!実は読みかけのまま寝かせてる本もまだあるのですが、一応これで読書メモは終了です。お読みいただいた方、ありがとうございました。来週の最終回楽しみましょう。楽しめるかな……

 

眼鏡の選び方一生わからん

いやー、寒くなってきましたね。

冬が苦手なので早く終わってほしい。でもまだ鍋食べてないからもうちょっと冬でもいいや。

 

ところで皆さん、眼鏡ってどうやって選んでますか? 先日眼鏡を作りに行って、選び方一生わからん〜になってしまった。眼鏡を試着すると顔が見えないの、どうしようもないけど何とかならないんですかねアレ。コンタクトレンズつけろってだけの話ですが、眼鏡選ぶためにコンタクト用意するって、本末転倒過ぎる。

てか、コンタクトつけて顔見えてても選べるかわからん。いつもと違う眼鏡ののった自分の顔、違和感しかないんだよな。眼鏡が似合うって、似合う眼鏡って何…? 顔の形でオススメの眼鏡の形、みたいなのを参考にしてなんとなく選んでるけど、今の眼鏡が似合ってるかすらわからないからね。

 

ハッ もしかして誰かと一緒に選びに行けばいいのかな? 似合う眼鏡を選んでくれる人、募集します。次に眼鏡作るの、たぶん2年後くらいだけど。

大河関連書籍読書メモ その2

皆さんこんばんは。いや〜、畠山回ヤバかったですね。

やっぱり脚本と演出と演技の噛み合いが異常なんだよな…

時政パパの追放は返す刀で速攻のイメージでしたが、この感じだとじっくりやるっぽいですね。楽しみだな〜

さて読書メモの続きです。新書以外の本から。

 

・安田元久北条義時吉川弘文館、1986年

吉川弘文館人物叢書シリーズ。1986年って何年?

古い本ではありますが、当時の北条義時がどのように理解されていたのか知りたくて読みました。私は当時の歴史そのものよりも、後世でどのように理解(評価)されてきたのかに興味があるんだよな〜

その1で挙げた新書にもたくさん引用されているので、興味があれば一読しておくと楽しいかもしれない。

 

・山本みなみ『史伝 北条義時 武家政権を確立した権力者の実情』小学館、2021年

山本先生の史伝シリーズ(?) 政子は新書でしたが義時は一般書。

こちらも丁寧に諸説が検討されているので、じっくり読むとよいと思います。

 

・板野博行『眠れないほどおもしろい吾妻鏡三笠書房、2021年

文庫のファスト吾妻鏡。著者は予備校講師なので、まあ、そんな感じです。(雑)

てか別に眠れないほど面白くはないけどね…

完全にファストではありますがトンデモ間違い本では無いはず…なので、吾妻鏡読みたいけど時間無いよ〜って人は読んでもいいんじゃ無いかな。

ちなみにドラマの部分だけ吾妻鏡を読みたい方は吉川弘文館の全訳、ダイジェストでざっくり知りたい方は角川ソフィア文庫が真面目な本でオススメです。

 

【小説編】

永井路子北条政子』文春文庫、2021年

新装版なので2021年発売になってますが、大河ドラマ草燃える」の原作作品の一つ。

タイトル通り政子を主人公に、一人の女性の生涯を描いています。この作品の政子は決して傑物では無いので、悩み傷つきながらも生きていく政子像の源流なのかな…

 

永井路子『炎環』文春文庫、2012年

こちらも新装版で読みました。鎌倉初期を舞台にした連作短編で、全成、阿波局、北条義時などがそれぞれ主人公になっています。従来あまり”主人公”にならなかった人物に焦点を当てているのが特色…らしい。こちらの義時さんは野心薄めの「よくわからない」人ですね。なお、実朝暗殺三浦黒幕説はこちらが出典。お話としては面白いんですけどねー…

 

安部龍太郎ほか『傑作!名手たちが描いた小説・鎌倉殿の世界』宝島社文庫、2021年

おそらく大河に乗じて作った鎌倉時代小説アンソロジー山本周五郎やら坂口安吾やら、『炎環』の義時主人公編(「覇樹」)やらが収録されています。みんな有名作家なので普通に面白い。

 

太宰治『右大臣実朝』

青空文庫で読みました。最近岩波文庫からも出版されましたね。

おおむね明るい方の太宰です。が、終わり方に不穏が漂う。好きですよ、こういうの。

こちらの義時さんは野心は薄めですが、みんなから「悪い人じゃないんだけどね…」と言われるタイプの人。

 

・奥山景布子『義時 運命の輪』集英社文庫、2021年

タイトル通り義時が主人公。こちらは野心強めの義時さんです。

決して硬派な作品では無いですが、力強くドラマチックな物語。という感想。

 

・伊藤潤『夜叉の都』文藝春秋、2021年

主人公は政子。修羅の道を行く北条政子の物語です。

なおこの作品、北条姉弟推しにはかなりキツイ展開がありますのでご注意ください!!

知らずに踏んでトラウマになった私の二の舞にはならないでくれ…北条姉弟推しは正直読まない方がいい。なお、こちらの義時さんも野心ありめ。だったはず。

大体”ネオ・『北条政子』”といった味わいです。てか豪遊の描写がちょっと昭和なんだよな…

 

・佐藤雫『言の葉は、残りて』集英社、2020年

主人公は実朝の妻(大河ドラマでは千世)

鎌倉にやってきた彼女と実朝がゆっくり愛情を育んでいく、優しい物語です。

嫌な役の登場人物でも”良い”シーンがあるので心穏やかに読めます。本当に優しい。

こちらの義時さんは、野心は薄めだけどちょっとヘイトを集めるタイプ。

 

 

現時点で読了している作品は以上です。

こうして見ると、大河に乗じて出版されてる小説が結構ありますね…大河効果ってすごいな。

今読んでる途中の本も後々まとめたい…という気持ちはあります。

あと、オススメの関連書籍も随時募集しているので、話しかけるのがアレだったら質問箱とかに投げてくださいね。よろしくお願いします。

 

大河関連書籍読書メモ その1

お久しぶりです。

ご存じかと思いますが、今年の私は大河ドラマ一色でございます。ドラマを観てツイッターを観て関連書籍を読んで鎌倉へ行って…忙しいなあ!

関連書籍を読みっぱなしにするのもアレなので、簡単に記録をつけておこうという試みです。興味がある方の参考になるといいな。

なお本稿は高校日本史程度の知識がある人間が書いておりますのでご承知おきください。

 

・細川重男『頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」』朝日新聞出版、2021年

頼朝とその後継者義時について。「頼朝」「義時」の人物像を軸にしながらも、幕府草創期の鎌倉の雰囲気がよくわかる一冊です。

語り口もラフで(悪く言えば癖が強いが…)最初の一冊としてオススメ。

 

・細川重男『執権 北条氏と鎌倉幕府講談社学術文庫、2019年

北条義時時宗、二人の執権を軸に執権政治を語る一冊。

義時パートは前述の『頼朝の武士団』とほぼ被りますが、「執権」そのものについて一冊で知るならこちらがよいかも。時宗パートも面白いので、ドラマの後の時代に興味があれば是非。

 

・坂井孝一『鎌倉殿と執権北条氏』NHK出版、2021年

こちらも幕府草創期から承久の乱までを描く一冊。著者がドラマの考証担当なこともあり、人物の印象がドラマと結構一致するな〜と思いました。

ちなみに八重姫が泰時の母親という説は坂井先生が唱えており、本書で詳しく解説されてます。

 

・坂井孝一『承久の乱中公新書、2018年

タイトル通り承久の乱前後の背景について書かれていた…と思うんだけど正直あんまり覚えていない。申し訳ない…。ってことは特に引っかかる点もなく読めたんじゃないかな。坂井先生の文、読みやすくて好きですよ。

 

・坂井孝一『考証 鎌倉殿をめぐる人びと』NHK出版、2022年

東京新聞での連載をまとめた一冊。人物ごとに項目立てて書かれており、内容はゆるめ。ドラマのお供として読むのが良いでしょう。個人的には後半の「歴史教養編」がかなり参考になる!と思いました。痒いところに手が届く!

 

・岩田慎平『北条義時 鎌倉殿を補佐した二代目執権』中公新書、2021年

義時を主人公に幕府成立から承久の乱までを書く一冊、という意味では他の新書類と同じですが、京の政治について詳細に語られる点に特色があります。鎌倉初期を勉強していると関東の情勢が中心になってしまいがちですが、京と切り離しては考えられないのだと再確認できますね。

 

・呉座勇一『頼朝と義時 武家政権の誕生』講談社現代新書、2021年

まず、氏がドラマの考証を降板された経緯は存じておりますし、降板は適当であったとも思いますが、研究内容自体についてはそれはそれ。というわけで。

前半が頼朝、後半が義時。リレーされる形で武家政権が固められていったよ〜という書き方をされています。とても丁寧に検討されていて充実しているのですが、その分人名や史料名や専門用語がポンポン出てくるので、新書にしてはやや体力を要するかも。

意外と義時に厳しめ。(頼朝に優しいわけでもないけど。)

 

・山本みなみ『史伝北条政子 鎌倉幕府を導いた尼将軍』NHK出版、2022年

さまざまな史料から北条政子がどのような人間であったかを明らかにする一冊。

政子の「悪女」的なイメージは、ドラマの影響もあるのかかなり薄らいできたような印象がありますが、本書もその助けになるでしょう。よくまとまっていて、さっくり読めると思います。

 

とりあえず新書オンリーでまとめてみました。

次回、新書以外・小説編へ続く!(予定!)