大河関連書籍読書メモ その1

お久しぶりです。

ご存じかと思いますが、今年の私は大河ドラマ一色でございます。ドラマを観てツイッターを観て関連書籍を読んで鎌倉へ行って…忙しいなあ!

関連書籍を読みっぱなしにするのもアレなので、簡単に記録をつけておこうという試みです。興味がある方の参考になるといいな。

なお本稿は高校日本史程度の知識がある人間が書いておりますのでご承知おきください。

 

・細川重男『頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」』朝日新聞出版、2021年

頼朝とその後継者義時について。「頼朝」「義時」の人物像を軸にしながらも、幕府草創期の鎌倉の雰囲気がよくわかる一冊です。

語り口もラフで(悪く言えば癖が強いが…)最初の一冊としてオススメ。

 

・細川重男『執権 北条氏と鎌倉幕府講談社学術文庫、2019年

北条義時時宗、二人の執権を軸に執権政治を語る一冊。

義時パートは前述の『頼朝の武士団』とほぼ被りますが、「執権」そのものについて一冊で知るならこちらがよいかも。時宗パートも面白いので、ドラマの後の時代に興味があれば是非。

 

・坂井孝一『鎌倉殿と執権北条氏』NHK出版、2021年

こちらも幕府草創期から承久の乱までを描く一冊。著者がドラマの考証担当なこともあり、人物の印象がドラマと結構一致するな〜と思いました。

ちなみに八重姫が泰時の母親という説は坂井先生が唱えており、本書で詳しく解説されてます。

 

・坂井孝一『承久の乱中公新書、2018年

タイトル通り承久の乱前後の背景について書かれていた…と思うんだけど正直あんまり覚えていない。申し訳ない…。ってことは特に引っかかる点もなく読めたんじゃないかな。坂井先生の文、読みやすくて好きですよ。

 

・坂井孝一『考証 鎌倉殿をめぐる人びと』NHK出版、2022年

東京新聞での連載をまとめた一冊。人物ごとに項目立てて書かれており、内容はゆるめ。ドラマのお供として読むのが良いでしょう。個人的には後半の「歴史教養編」がかなり参考になる!と思いました。痒いところに手が届く!

 

・岩田慎平『北条義時 鎌倉殿を補佐した二代目執権』中公新書、2021年

義時を主人公に幕府成立から承久の乱までを書く一冊、という意味では他の新書類と同じですが、京の政治について詳細に語られる点に特色があります。鎌倉初期を勉強していると関東の情勢が中心になってしまいがちですが、京と切り離しては考えられないのだと再確認できますね。

 

・呉座勇一『頼朝と義時 武家政権の誕生』講談社現代新書、2021年

まず、氏がドラマの考証を降板された経緯は存じておりますし、降板は適当であったとも思いますが、研究内容自体についてはそれはそれ。というわけで。

前半が頼朝、後半が義時。リレーされる形で武家政権が固められていったよ〜という書き方をされています。とても丁寧に検討されていて充実しているのですが、その分人名や史料名や専門用語がポンポン出てくるので、新書にしてはやや体力を要するかも。

意外と義時に厳しめ。(頼朝に優しいわけでもないけど。)

 

・山本みなみ『史伝北条政子 鎌倉幕府を導いた尼将軍』NHK出版、2022年

さまざまな史料から北条政子がどのような人間であったかを明らかにする一冊。

政子の「悪女」的なイメージは、ドラマの影響もあるのかかなり薄らいできたような印象がありますが、本書もその助けになるでしょう。よくまとまっていて、さっくり読めると思います。

 

とりあえず新書オンリーでまとめてみました。

次回、新書以外・小説編へ続く!(予定!)